防犯カメラの選定は、防犯カメラシステムの効果を最大限に引き出すために重要なステップ。

1.カメラのタイプ
防犯カメラにはいくつかのタイプがあります。用途や設置場所に応じて適切なタイプを選びます。

・ドーム型カメラ
特徴:円形で天井に取り付けることが多い。
用途:広範囲の監視に適しており、室内外両方で使用可能。
メリット1: vandal-proof(耐破壊性)を持つモデルも多く、威嚇効果が高い。
メリット2: ドームカバー内のレンズ部の方向が外部から見えづらい。

・バレット型カメラ
特徴:円筒形で、壁や天井に取り付けることが多い。
用途:遠距離の撮影に適しており、屋外での使用に最適。
メリット1:防水・防塵仕様のモデルが多く、長距離監視が可能。
メリット2:抑止力の効果が期待でき、未然に犯罪を防ぐ要因の一つと思われる。

・PTZカメラ(パン・チルト・ズーム)
特徴:遠隔操作でカメラの向きやズームを調整可能。
用途:広範囲を動的に監視する必要がある場所に適している。
メリット:高い柔軟性とカバー範囲。

・固定カメラ
特徴:特定のエリアを常に監視するために設置。
用途:一定のエリアを継続的に監視する場所に適している。
メリット:設置が簡単で、コストパフォーマンスが高い。

2. 解像度
カメラの解像度は、映像の鮮明さに直接影響します。解像度の高いカメラは詳細な映像を提供しますが、ストレージ(ハードディスクなど)帯域幅の消費が増加します。

・HD:720p (1MP) / 解像度:1280×720 / 画素数: 約100万画素
特徴: 解像度は他のタイプに比べて低いですが、基本的な監視用途には十分です。予算が限られている場合や、詳細な映像が不要な場所に適しています。

・FULL HD:1080p (2MP) / 解像度:1920×1080 / 画素数:約200万画素
特徴: 標準的な解像度で、一般的な防犯カメラとして広く使用されています。コストパフォーマンスが高く、多くの用途に適しています。

・QHD/2K:(4MP) / 解像度:2560×1440 / 画素数:約368万画素
特徴:4MPのカメラは、1080pのカメラ(約2MP)よりも高い解像度を持ち、より詳細な映像を提供します。これにより、より遠くのオブジェクトや人物を鮮明に識別できます。 

・ULTRA HD/4K:(8MP) / 解像度:3840×2160 / 画素数:約830万画素
特徴:非常に高い解像度で、細部まで鮮明に映し出すことができます。広範囲の監視が必要な場合や、細かいディテールを確認したい場合に適しています。
注意:非常に高解像度で画像データが重いためストレージ(ハードディスク)の容量が必要です。

3. 夜間撮影機能
防犯カメラの多くは赤外線(IR)技術を使用して夜間撮影が可能です。
IRカメラ:赤外線LEDを搭載し、暗闇でも映像を撮影可能。
低照度カメラ:少ない光量でもカラー映像を撮影できる「スターライト」技術を持つカメラもある。

4. 防水・防塵性能
屋外に設置する場合、カメラの防水・防塵性能は重要です。IP(Ingress Protection)レーティングを確認します。

IP66:防水・防塵性能が高く、厳しい環境条件でも使用可能。
IP67:完全防塵で、一時的な水中浸漬にも耐えられる。

5. 接続方式
カメラの接続方式は、システム全体のインフラに影響します。

基本的には防犯カメラは有線接続とし、
LANケーブル(Cat5e、Cat6など)を使用し、カメラの電源はPoE(Power over Ethernet)給電となります。
LANケーブル1本でデータと電力を同時に供給できるため、配線の手間とコストが削減されます。
注意:LANケーブルの場合にはネットワークカメラやNVR(Network Video Recorder)
を想定しており、PoE対応機器を選定して下さい。

※ 注意1:PoEには異なる規格があり、供給できる電力が異なります。
例えば、IEEE 802.3af(PoE)は最大15.4W、IEEE 802.3at(PoE+)は最大30W、IEEE 802.3bt(PoE++)は60Wおよび100Wの電力を供給します。
※ 注意2:接続するデバイスの消費電力を確認し、適切なNVR、PoEスイッチやインジェクターを選定する必要があります。

同軸ケーブル(5C-FB,3C-2Vなど)を使用した場合にはカメラの電源はPOC(Power over Coaxial)給電となります。
給電が可能になり、同軸ケーブル1本でデータと電力を同時に供給できるため、配線の手間とコストが削減されます。

※ 注意1:同軸ケーブルの場合には同軸用カメラ(AHD,HD-CVI,HD-TVI)やDVR(Digital Video Recorder)を想定しており、POC対応機器を選定して下さい。
※ 注意2:カメラメーカーや機種により、POC対応していない場合があります。

6. 追加機能
動体検知:動きを検知した際に録画開始やアラームを送信する機能。
音声録音:音声も記録する場合に必要。
双方向音声:カメラと監視場所で音声のやり取りが可能。

7. 予算
カメラの価格は性能や機能によって大きく異なります。予算内で最適な性能を持つカメラを選ぶことが重要です。

まとめ
防犯カメラの選定は、設置場所や目的、予算に応じて最適なカメラを選ぶことが重要です。上記のポイントを考慮して選定することで、効果的な監視システムを構築することができます。専門業者に相談することで、最適なカメラを選定するサポートを受けることも一つの方法です。